この記事は、グループホーム(共同生活援助)を運営している方と、これから開設を考えている方の両方に向けて書いています。テーマは体制届の様式ファイル。正確には、あの「タブだらけのExcel」とどう付き合うか、という話です。
結論から書くと、私はタブを仕分けるアプリをClaude Codeで作り、書類を探す作業そのものをなくしました。アプリを作らない方にもできる工夫を、最後に書いています。
体制届はグループホーム運営で何度も出す書類
体制届は、事業所の人員体制や加算の算定状況を届け出る書類で、事業所の収入に直結します。指定を受けるときの一度きりではなく、加算の追加や職員の変更など、運営していると何度も提出の機会がやってきます。体制届そのものの説明は、別の記事に詳しく書いています。
体制届の基本と、面倒な書き写しをAI自動転記アプリでなくした実録
これから開設する方に先にお伝えしたいのは、グループホームの運営には、支援と並んでこうした届出仕事が必ず付いてくるということです。ただ、この記事で書きたいのは「覚悟してください」ではなく、「工夫の余地はありますよ」のほうです。
体制届のエクセルはタブが約30個。名前から中身が分からない
提出のたびに、行政のホームページから様式のExcelファイルをダウンロードします。開くと、画面の下にタブの帯。数えると約30個あり、帯が画面に収まりきりません。
しかもタブの名前は「様式◯◯」「別紙◯-◯」といった番号だけです。開いてみないと何の書類か分からないので、1つ開いては違う、次を開いては違う、の繰り返し。書類の記入が始まる前の、入り口の段階で体力を削られていました。
実際の様式ファイルのタブ。これでもまだ一部で、帯は画面の外まで続きます
一度仕分けたファイルを翌回も使えれば話は早いのですが、そうもいきません。行政の様式は予告なく更新されることがあり、古いファイルを流用して旧様式のまま出すと、出し直しになります。だから毎回、新しいファイルのダウンロードからやり直し。あの入り口が、提出のたびに復活するわけです。
体制届で実際に使うタブは、ほんの数個だった
初めてこのファイルを開いたときは、本当に混乱しました。これのどれが必要なの?と、画面とにらめっこです。そこから、よくよく中身を確かめながら一つずつ仕分けていって分かったのは、私の事業所で毎回提出するのは数個だけということでした。
残りは、変更があったときだけ出すものか、うちのサービスには関係のないもの。この3種類が、並び順の規則もなく混ざっています。毎回出す書類が分かりにくいのはもちろんですが、変更が生じたときに、あわせて提出する書類を探し当てるのがまた、めちゃくちゃ面倒でした。
様式は行政が決めるものなので、タブの数も並びも、こちらでは動かせません。動かせないものは仕方ない。それなら、こちらで動かせるのは「探し方」だけです。
Claude Codeでエクセルのタブを仕分けるアプリを作った
頼んだ相手はClaude Code。チャットで日本語のお願いを送ると、プログラムやアプリの形にしてくれるAIツールです。私にプログラミングの知識はありません。
最初のお願いはシンプルでした。ファイルを選ぶとタブの名前が一覧になり、チェックを付けたタブだけを残したファイルを保存できるようにしてほしい、と。
できあがったものを開いて、固まりました。並んでいるのは「様式◯◯」「別紙◯-◯」。そう、タブの名前が番号なのだから、一覧にしたところで番号のリストができるだけなのです。
ここで諦めず、聞いてみました。タブの中身のページには、書類の題名が書かれています。その題名を拾って、番号の横に書類の題名を表示できないか。返事は、できます、でした。一覧に題名が並んだ瞬間、「この番号は何の届出か」を、初めて開かずに見分けられるようになりました。
仕上げに、タブを三色に分けて登録できるようにしてもらいました。毎回使う、変更のときだけ使う、使わない。毎回使うタブには起動した時点でチェックが入り、保存するファイルには提出用に指定された名前が付くようにしてあります。ファイルを開き、一覧を眺め、保存する。これで提出用ファイルの下ごしらえは終わりです。
私がやったことといえば、「番号のままでは見分けられない。どうすれば見分けられるか」を考えたことくらいです。あとは日本語で伝えただけ。技術的にできるかどうかは、聞けばClaude Codeのほうが答えてくれます。
体制届のタブを探す工程が消えた。同じ判断を繰り返さなくなった
アプリにしてから、タブを1つずつ開いて確かめる工程が丸ごとなくなりました。ファイルを開けば、最初から全体が見渡せる状態で始まります。
使ってみて気づいたのは、軽くなったのは手よりも頭だ、ということです。三色の色分けと最初から入っているチェックは、最初ににらめっこしながらやった仕分けの結果を、そのままアプリに覚えさせたものです。以前は「これは違う、これは今回なし、これは出す」という仕分けを、提出のたびに頭の中でやり直していました。今は過去の自分の判断が画面に出てくるので、やり直す必要がありません。
正直な注意点:最初の一回の精査は省けない
正直に書いておくと、最初の一回だけは手間がかかります。どのタブが毎回必要で、どれが不要かの精査は、自分でやるほかありません。ただ、この精査は体制届を出すなら誰もが一度は通る道です。通ったあとの判断を、頭の中に置きっぱなしにせず道具に覚えさせられる。私は、そこにこのアプリの値打ちがあると思っています。
持ち帰り:Claude Codeへの頼み方の例
これから試す方のために、私が頼んだ内容を文例にまとめておきます。そのまま貼って、ご自身の書類に合わせて直して使ってください。
タブ選別アプリの依頼文例
エクセルファイルのタブを仕分けるアプリを作ってください。条件は次のとおりです
- ファイルを選ぶと、タブの名前を一覧で表示すること
- タブの名前だけでは中身が分からないので、各シートの中にある書類の題名も一緒に表示すること
- タブごとにチェックボックスを付け、チェックしなかったタブを削除したファイルを保存すること
- タブを「毎回使う」「時々使う」「使わない」に色分けして登録でき、毎回使うタブには最初からチェックが付くようにすること
- 保存するファイル名は、あらかじめ指定した提出用の名前になるようにすること
私も最初から全部を頼めたわけではありません。一覧表示だけ頼んで、足りないところに気づくたびに注文を追加していきました。完璧な依頼文でなくても、会話しながら整えていけば大丈夫です。
なお、体制届には「探す」のほかに、もうひとつ「書き写す」という面倒があります。そちらは別のアプリで解決して、記事にまとめています。
まとめ|アプリを作らなくても、体制届のタブ一覧メモを一度作れば変わる
ここまで読んで、アプリはさすがにハードルが高い、と感じた方へ。一度だけ全部のタブを開いて、「この番号はこの書類。うちは毎回出す/変更のときだけ/関係なし」という一覧メモを一度作っておくだけでも、次回からの様式ファイルは別物になります。要は、一度やった仕分けを頭の外に出しておくことです。
行政の様式は変えられません。それでも、こちら側にできる工夫の余地は残っています。まずはご自身の事業所の「毎回使うタブはどれか」を、一度だけ確かめるところから始めてみてください。
書類探しの次は、発送した書類の管理も同じやり方でアプリにしました。


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