障害者グループホーム(共同生活援助)を運営しています。
先に結論を書きます。グループホームの管理者は、支援の知識だけでは務まりませんでした。利用者の生活設計、報酬請求、経理、建物、法人。運営を続けるには、福祉の外側まで含めた幅広い知識が必要になります。この記事では、私が実際に必要になった知識の全体像を紹介します。
このサイトは、過去の自分が欲しかった情報を集めた場所です。何もわからないまま立ち上げて、手探りで進みながら、そのたびに調べ、学んできました。運営者の立場から見たグループホームの話を、当時の私は読みたかったのに、どこにも見つけられませんでした。だから自分で書き溜めることにしました。
立ち上げや経営の話も出てきますが、儲かるかどうかを語るサイトではありません。利用者も職員も、楽しく暮らしていくための土台づくりの記録です。ここから先の知識の話は、お金や建物の話に見えて、すべてその土台の話です。
それでは、必要になった知識を、ひとつずつ見ていきます。それぞれの詳しい話は個別の記事に書いているので、この記事は案内図として使ってください。
グループホームの支援は管理者の仕組みづくりで決まる
私は現場に入って直接支援もしています。ただ、管理者としての支援の仕事は、現場に立つことだけではありませんでした。
管理者が考えるのは、ホーム全体で支援の質を保つ方法です。ある利用者への支援がどれだけ丁寧でも、特定の職員にしかできないやり方であれば、その職員が休んだ日に支援は崩れます。誰が読んでも同じ支援ができる指示書を作れないか。職員によって対応がばらつかない仕組みを作れないか。管理者になってから、考えるのはいつもこういうことです。
事業所によっては、この役割をサービス管理責任者が担っている場合もあると思います。形は違っても、利用者の暮らしを職員個人の力量ではなくホームの仕組みで支える。それを考える人がどこかに必要だと感じています。
利用者の生活設計に必要だったFPと制度の知識
支援を続けていくと、必ずお金の話に行き着きます。
利用者の生活を支えるということは、その人の収支を一緒に見るということでした。収入はいくらで、支出はいくらか。使える制度は何か。制度を漏れなく使えているかどうかで、利用者が趣味や楽しみに回せるお金は変わります。お金の心配を減らして、楽しみを増やす。生活設計は、それ自体が支援の一部でした。
私はファイナンシャルプランナーの資格は持っていません。ただ、FP3級の内容は勉強しました。収支の管理、社会保険、税金。ばらばらに調べると混乱しやすいお金の知識が、一冊で整理されていたからです。資格を取るかどうかは別として、3級レベルの知識は運営の前に入れておくべきだったと思っています。
報酬請求(国保連請求)は学ぶ間もなく始まる
毎月必ずやってくるのが、報酬請求の実務です。
国保連への請求は複雑です。それなのに、開業すれば学ぶ間もなく請求の締め切りがやってきます。立ち上げの頃は、目の前の請求をこなすだけで精一杯でした。何年か経った今でも勘違いやミスは起こりますし、制度改正があれば覚え直しです。この分野は、学び終わりがありません。それでも学び続ける価値があります。請求の知識は、ホームの収入を守る知識だからです。
このブログでは、報酬請求で実際につまずいた出来事を記録しています。返戻(請求の差し戻し)への対応、入金までの流れ、自己負担金の徴収。どれも教科書には載っていない場面です。同じ場面で困ったときに読んでもらえたらと思います。
グループホーム運営の資金繰りと経理の知識
利用者のお金とは別に、法人側のお金の知識も必要でした。
報酬が入金されるのは、サービスを提供した約2ヶ月後です。開業直後は、仕事をしているのにお金が入らない期間が続くので、運転資金の備えが要ります。融資、経費、資金繰り。私の事業所には事務員がいますが、経理は任せきりにせず、自分でも学び続けています。
理由があります。ホームを続けるか、広げるか、何かを変えるか。運営の舵取りは、お金の全体像がわかっていないと判断できません。数字を持たずに運営するのは、羅針盤を持たずに船を出すようなものです。ここは甘く見てはいけない分野だと思っています。
建物の維持と修繕はグループホームの暮らしの箱を守る仕事
グループホームは建物があって成り立ちます。利用者にとっては、暮らしの箱そのものです。
設備が壊れれば修繕を手配します。経年劣化に備えて、修繕費を計画的に積み立てておく必要もあります。賃貸であっても、建物の維持管理は運営の仕事に含まれます。私は物件の取得で苦い経験もして、この分野の大切さを身をもって知りました。
建物の維持や修繕の考え方は、福祉の研修や資料では教わりません。私は中古物件を扱う不動産賃貸業の本から学びました。福祉の外に教材があった分野です。
グループホームは法人がなければ始められない
一番土台の話です。グループホームの指定は法人でなければ受けられません。
ここは正直に書きます。私は、就労継続支援B型事業所を運営する法人に参加する形で、グループホームの立ち上げに関わりました。法人設立は、私が通っていない道です。報酬請求も、法人内に先例があり、聞ける相手がいたから覚えられた部分があります。それでもこの大変さでした。
別の目的で合同会社を設立した経験はあります。事業を動かしていない会社でも、維持するだけで手続きが次々に出てきました。法人は作って終わりではなく、維持していくものなのだと知りました。
法人をゼロから立ち上げて、運営まで見ていくのは、聞ける相手がいないと相当難しい分野だと思います。この分野は、私にまだ書けることが多くありません。経験が増えたら書き足します。
これらの業務を、AIも使って回しています
ここまで並べた業務を、私は一人の力だけで回しているわけではありません。
請求書の発行、体制届の転記、収支の把握。こうした事務作業には、AIで自作したアプリを使っています。AIに仕事を任せるのではなく、道具を作るところにAIを使い、判断と確認は自分で行う形です。プログラミング未経験から始めましたが、今では運営に欠かせない道具になりました。
これからホームを育てていく上で、AIは良い相棒になると感じています。ホームの仕事にAIをどう組み合わせているかも、このブログで記録していきます。
まとめ 管理者の知識が利用者の暮らしを支える
管理者には今後、研修が義務づけられる方向だと聞いています。もし立ち上げの頃に研修があったなら、私は運営から福祉まで全部を教えてほしかったはずです。請求ひとつ覚えるのにも必死だったのですから。
【これから立ち上げる方に伝えたいのは、必要な役割と知識の全体像を、先に知っておいてほしいということです。支援、生活設計、請求、経理、建物、法人。すべてを一人で抱える必要はありません。私も家族や事務員と分担しています。ただ、誰かが担うべき役割がこれだけあると知って始めるのと、知らずに始めるのとでは、その後がまったく違います。】
知識は身を守ります。管理者を守り、ホームを守り、その土台の上に利用者の暮らしと楽しみが乗ります。だから私は、儲かるかどうかではなく、暮らしの話として運営を書いています。
この記事は、学んだことが増えるたびに書き足していきます。まだ書きかけの地図ですが、これから始めるあなたの、一枚目の地図になれたらうれしいです。

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