グループホーム管理者の日中業務は外から見えない
グループホーム(共同生活援助)の管理者は、利用者さんが日中活動に出ている間、何をしているのか。
結論から書くと、点検とチェックと準備で回していきます。派手な仕事はほとんどありません。
この記事は、私が運営しているグループホームでの、平日日中帯のルーティン業務の記録です。
なお、管理者の1日は、ホームの規模や棟数、利用者さんの人数によって大きく変わります。利用者さんがまだいない開設準備の時期、定員数名の1棟だけの時期、複数棟を運営する時期では、やることそのものが違ってきます。この記事に書くのは、私が現在運営している体制での1日です。
現在ホームを運営している管理者の方には「よそはこうやっているのか」という比較材料になると思います。これから立ち上げたい方には、開設後の自分の1日がどうなるか、管理者を兼務するならどこまで現場に入ることになるか、人員体制を考えるときの材料として読んでもらえたらと思います。
朝の業務:夜勤職員が帰った後のホーム点検
私のホームは、夜勤の職員が利用者さんを日中活動へ送り出して、そのまま退勤します。私はその後、入れ替わる形でホームに入ります。
最初にやることは点検です。施錠の確認や、電気のつけっぱなしがないかの確認。片付けなどができているかどうかを見て回ります。後の話にもつながりますが、人がいない時間帯に何が起きたかは、点検である程度推測できます。エラーは報告を待つのではなく、自分で拾いに行くようにしています。
9時くらいからは、今日のシフトと予定を確認して、特に何もなければ日常業務を進めていきます。
管理者の服薬チェックは早く気づくためにやる
日常業務の中で欠かさないのが薬のチェックです。ホームの服薬管理の全体像は別の記事にまとめています。
服薬の確認は職員もしているはずですが、それでも、人はどうしてもエラーを起こします。飲み忘れや配薬のずれは、起きてから時間が経つほど対応が難しくなるので、早く気づくに越したことはありません。なので、ホームに入ったら、まず一通り薬のチェックをするようにしています。
私のところではお薬カレンダーに利用者さんの薬をセットして、順番に飲んでいってもらう方式です。減っていれば補充して、あわせて残薬のチェックもします。薬の在庫は、包剤ごとの残数チェックまで自作アプリで管理しています。
こうした自作アプリは、必要になったら後から機能を足しています。就労証明書の集計をアプリで楽にした話
日用品の在庫チェックから利用者さんの生活が見える
日用品の管理を職員が行っている利用者さんについては、在庫チェックをしています。
以前、利用者さんが他の利用者さんのものを取ってしまったり、いつの間にかシャンプーを使っていなかったり、ということがありました。知的障害のある方のホームでは、シャンプーや歯磨き粉といった日用品の管理が難しい方が多く、この部分のサポートがないと日常生活が回りません。
生活を回していくためにも、在庫のチェックと払い出しの記録はアプリで管理するようにしました。こうした日用品の管理は個別支援計画に位置づけて、適宜見直していく。これも支援のひとつだと考えています。
冷蔵庫の在庫チェックも同じ流れでやります。在庫と献立を見比べて、夕方にパート職員が入るまでに、買い出しをどうするか決めておきます。
薬も日用品も食材も、在庫を見るということは、利用者さんの生活を見るということなんですよね。
在庫の減り方はグループホームの状態を映す
在庫管理をしていると、なくなったらここから取っていく、という補充の流れができます。共用の備品も同じように補充とチェックをしています。
在庫を切らすと利用者さんだけでなく職員の仕事にも影響が出ます。気持ちよく暮らしてもらう、働いてもらうという点で、自分の目で見て管理するようにしています。
在庫管理は正直大変です。この部分もアプリで省力化を試している最中です。
面白いのは、在庫の減り方からいろいろなものが見えてくることです。洗剤や掃除シートの減りが少ない場所からは、掃除が行われていないことが分かります。逆に減りが早すぎる品からは、持ち出しの可能性に気づきます。在庫は、そういうものを映し出してくれるんですよね。
在庫チェックは、ホームがちゃんと回っているかを見る手段でもあります。見えてしまうと頭の痛い問題でもあるのですが。
預り金のチェックも管理者の日常業務
預り金の確認は、毎日チェックして記録を残しています。お金に関することなので、記録の粒度は落とさないようにしています。
現金の管理は、本音を言えばあまりやりたくありません。ただ、日用品の管理をしている以上、どうしても現金を扱う場面が出てきます。はっきり「預からない」と言い切っているホームも知っています。このあたりは事業所ごとの判断が分かれるところだと思います。
預かっているのはお金だけではありません。通院の支援をしている利用者については、資格確認書や受給者証も預かっていて、こちらは貴重品預かり台帳で管理しています。
夕方以降の業務と、時間が空いたときにやること
夕方からはパート職員に任せます。シフトに空きが出たら自分が入ります。夕食帯はワンオペになるので、それまでに買い出し等は全て済ませるようにしていきます。一人でこなさなければいけない中で、あれがないこれがないと大変な思いはしてほしくないのです。一方で、ワンオペは手を抜こうとすると際限なく抜かれてしまいます。しわ寄せは利用者さんに来ることになるので、そういったことが起こってはいないかというのも気にかけねばなりません。見ていない時間の逸脱に気づく工夫は別の記事に書いています。
時間に余裕があれば、余暇支援に入ったり、運営の改善に取り組んだり。人員が足りていない時間帯があれば、パート職員の求人を出すこともあります。トラブルシューティングに対応できるよう、できるだけ自分の時間は空けておきたいのですが、イレギュラーは尽きません。
基本的にはチェックして、異常なし、買い出しOK。そんな日常を過ごしたいのですが、大抵、トラブル対応や支援の準備に追われているという感じです。
まとめ:グループホーム管理者は何もない日が一番いい日
管理者の日中業務は、点検・チェック・準備の積み重ねです。毎日できるだけチェックすることだけは、抜かさないようにしています。
派手さはありませんが、薬・日用品・お金・記録を毎日見ていると、小さなエラーやトラブルの芽に早く気づけます。パート職員がひとりで勤務する時間が長いホームほど、この毎日のチェックが現場を知る手段になります。
これから立ち上げる方は、管理者の日中がこういう地味な時間で埋まっていくことを、頭の片隅に置いておいてもらえたらと思います。何もない日が一番いい日です。


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