グループホームの日用品管理|シャンプーを共用にしなかった理由と在庫運用の実録

支援・ケース記録
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グループホーム(共同生活援助)を始めるとき、利用者のシャンプーや石鹸をどうするか、少し迷いました。ホームの備品として用意して共用にするか、一人ひとり自分のものを使ってもらうか。管理の楽さだけで考えれば共用ですが、毎日使うものをホーム側で決めてしまうのは、どうも施設っぽい気がしました。

結論から書くと、私のホームでは、シャンプー・石鹸・歯磨き粉などの日用品は共用にせず、利用者一人ひとりが自分で選んだものを使う形にしています。そのうえで、在庫はホーム側でストックを持ち、利用者ごとのかご1つと入出庫の記録用紙で管理しています。

個人持ちに決めた後、在庫切れや買い間違い、使いすぎといったことを一通り経験して、今の形に落ち着きました。手間は増えましたが、この手間のかけ方は間違っていなかったと思っています。

この記事では、共用にしなかった理由(国の通知の話も含みます)、在庫管理を始めるきっかけになった出来事、現在の運用方法の順に、私のホームの実際を書いていきます。現在グループホームを運営している管理者・運営者の方と、開設を検討していて「備品をどこまでホームで用意するか」を考えている方に向けた内容です。

グループホームの日用品を共用にしなかった理由

開設当初、日用品の扱いには少し悩みました。ホームの備品としてシャンプーやボディソープを用意し、全員で共用してもらう方が、管理は間違いなく楽です。私も最初は共用を考えました。

ただ、調べてみると、国の通知「障害福祉サービス等における日常生活に要する費用の取扱いについて」で、個人用の日用品を事業所が一律に用意し、全員から画一的に費用を徴収する形は認められない、とされています。本人の希望を確認したうえで同意を得れば実費として請求できますが、国としては積極的に勧めていない、という温度感だと受け取りました。

制度の話を抜きにしても、本人が毎日使うものをホーム側で一律に決めてしまうのは、どうも施設っぽく感じてしまいました。手間はかかりますが、できる限り本人が選んだものを使ってもらう方針にし、それぞれ自分の日用品を用意してもらう形で運用してみることに。費用面でも、本人が自分で買っているので、ホームとして日用品費を徴収していません。

買い物同行など、職員の手間は確かに増えます。一方で、自分のための買い物は利用者にとって楽しみの一つになっているようで、手間のかけ方としては悪くないと感じています。

日用品の在庫管理を始めるきっかけになった出来事

最初は特に管理の仕組みを作らず、本人任せにしていました。すると、知的障害のある利用者を中心に、次のようなことが起き始めました。

  • 「シャンプーがなくなった」と言われるのが、毎回お風呂に入る直前
  • シャンプーが切れたことを伝え忘れ、しばらくシャンプーなしで入浴していた
  • 自分の分が切れたため、他の利用者のシャンプーを使ってしまった

正直、なくなったら早めに言ってほしいと思うのですが、伝えるタイミングを本人だけに任せるのは無理があります。私もシャンプー切れているの忘れますしね。お風呂直前に発覚するくらいはまだかわいい方で、他人のものを使ってしまう段階までいくと、利用者同士のトラブルになります。

こうした経験を経て、現在は全員分のストックをホームで持ち、その在庫をホーム側で管理する形に切り替えました。

在庫管理をしてみて意外だった「できそうでできない」層

管理を始めて意外だったのは、「このくらいなら自分でできるだろう」と思っていた利用者でも、在庫管理は難しいと分かったことです。

お金の計算ができて、一人で店に買い物に行ける利用者でも、次のようなことが起こります。

  • シャンプーとリンスなど、種類の違いを理解していなかった
  • 同じものを何本も買ってきてしまった
  • 肝心の切れているシャンプーは買ってこられなかった

「生活を回す」ということの大変さを、改めて見直すきっかけになりました。

日用品管理の関わり方は利用者ごとに変える

現在は、本人の力に合わせて次のように分けています。

  • 在庫の買い出しまで一緒に行う利用者
  • 在庫を見える場所に置き、こちらから声かけして買ってきてもらう利用者
  • 在庫管理を全面的にホームに任せている利用者

どこまで任せるかは、今も模索中です。

在庫があるだけでは足りない「使われているか」の確認

清潔の維持は生活支援の基本中の基本だと考えています。本人が「お風呂に入りたくない」と言った場合も、意思の尊重で終わらせず、本人が納得できる形でどうやって入浴と清潔を維持するか、という方向に持っていっています。

少し気を抜くと、「使わなくてもいいと思った」という理由でシャンプーを使わずに入浴し、髪がごわごわで少しにおう状態で出てくることがあります。在庫が揃っているかだけでなく、実際に使われているかまで追いかける必要が出てきました。

逆のケースもありました。買ったばかりの歯磨き粉がすぐになくなり、盗難かと心配していたら、単に本人の消費ペースが1週間に1本だったという話です。慌てて、適切な歯磨き粉の量を伝えて使用量を調整しました。

適切な量、ほどほどの期間、タイミング、このくらいならいい、ちょうどいいというのをこなしていくというのは、思っているよりも複雑な計算をしているようです。なぜここで詰まっているのか、どこを調整すればいいのか。支援を組み立てるのにも現状を追いかける必要があるのだなと感じています。

現在のグループホームの日用品管理の運用方法

現在は、次のような形で運用しています。

  • 利用者ごとにかごを1つ用意する
  • かごの中に日用品のストックを入れる
  • かごに入庫と払い出しを記録する用紙を入れておく
  • 払い出した職員がその場でチェックを付ける

入出庫の記録は自作のアプリにも入力し、利用者ごとの払い出しペースが見えるようにしています。消費ペースが分かると、使いすぎや使っていない状態に早く気づけます。

まとめ:日用品管理はグループホームの生活支援そのもの

シャンプーや歯磨き粉の管理は、細かい話に見えますが、清潔の維持や利用者同士のトラブル防止に直結します。支援の組み立て方も、それぞれの障害の程度や今までの生活環境から会得したものが反映されています。何かネックになることがあるのであれば、そのネックはどこにあるのか。検討するためにも、日用品の使い方から見えてくる情報は重要です。

開設を検討している方は、共用にするか個人持ちにするかを最初に決めておくと、後の運用が楽になります。すでに運営している方は、かご1つと記録用紙から始めてみてください。本人に任せられる範囲は、記録が溜まってから判断しても遅くありません。

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