この記事は、主にすでにグループホーム(共同生活援助)を運営していて、これからの物件をどうするか考え始めている管理者・運営者の方に向けて書いています。ただ、これから立ち上げを検討している方にも、物件との付き合い方の一つの考え方として読んでいただけると思います。今回は制度解説というより、私自身がいま揺れている“判断の途中”をそのままお見せするような記事です。
グループホームを続けるなら、物件は見続けるべき
いきなり私の持論から入りますが、グループホーム(共同生活援助)を始めたり続けたりするなら、賃貸でいくにしても購入するにしても、毎日の物件チェックは習慣にしておくべきだと思っています。
というのも、私自身は今、賃貸の一戸建てを2棟借りて運営していて、次はいよいよ自分のホームを建てようかな、と考えている段階なんです。それでも、念のためにと思って、近くの物件情報を見るのだけはずっと続けていました。SUUMOやアットホームを、毎日のように眺めていたんですね。
今の自分の事業所から見て、周りの物件がどれくらい値上がりしているのか、逆に値下がりしているのか、売れたのか売れ残っているのか——そういうのを、なんとなく定点観測していました。「相変わらずだな」とか「ここ下がったな」とか、独り言を言いながら。
この習慣、あとから振り返ると地味に効いていたと思います。市場を見続けていたからこそ、本当に良い物件が出たときに反応できた。買う予定がなかった時期の観察が、いざというときの判断の速さを作っていたわけです。
私の前提:立ち上げは賃貸で始めておくといい
もう一つ、私のスタンスをはっきりさせておきます。グループホームを一番最初に始めるときは、賃貸で始めておくといい——これは今でも本音です。
理由はシンプルで、立ち上げ期は利用者の確保という一番大きな問題が待っているからです。定員を埋められるかどうかの見通しが立たないうちに、いきなり物件を購入して大きく構えるのは、リスクが大きすぎる。だから最初は賃貸の一戸建てを借りて、身の丈に合った規模でスタートするのが賢明だと、私はずっと考えてきました。
【立ち上げ期に賃貸を勧める理由】
- 利用者確保の見通しが立たないうちは、固定費・初期投資を最小限に抑えたい
- 賃貸なら、規模が合わなくなったときに動きやすい(撤退・移転の身軽さ)
- 運営そのもののノウハウが固まる前に、建物という重い資産を抱えなくて済む
実際、私自身も一戸建ての賃貸住宅を借りて運営を始め、少しずつ規模を広げて、今の2棟まで来ました。この「賃貸で少しずつ」のやり方で、ここまで来られたと思っています。
賃貸で積んだ経験があるから、今の判断ができる
そしてここが、私が一番お伝えしたいところです。賃貸で運営してきた時間は、ただの「仮住まい期間」ではなくて、次の物件を見る目を養う時間でもありました。
賃貸で何棟か運営してくると、「こういうホームが欲しい」「この間取りじゃダメだったな」というのが、経験としてだんだん見えてきます。もし最初から物件を買っていたら、この“こうしたい”が見えてきた頃には、直したくても簡単には直せない。買った後で建物をいじるのは、本当に大変ですから。だから経験を積むという意味でも、私は最初を賃貸で始めて本当に良かったと思っています。
もともと私は、「いつかは自分の物件を」という気持ちも持っていました。だから物件取得を考えること自体は、方針転換でも矛盾でもなくて、順番どおりに来ただけ、という感覚なんです。
今の家に限界を感じ始めた
ここからが今回の本題です。次は自分で建てようかな、と思っていた私が、なぜ「取得」の方に心が動いたのか。
きっかけは、今運営している物件そのものへの限界でした。今の建物は築40年を超えていて、あちこちで不具合が出始めています。しかも手狭。運営を続けるほど、「もう少し広いところがいいな」「設備的にも、そろそろ厳しいな」という思いが強くなってきていました。
【賃貸で規模を広げてきた運営者がぶつかる壁】
賃貸で少しずつ大きくしていくと、ある段階で「ちょうどいい大きさの物件が、市場に出てこない」という壁にぶつかります。小さい賃貸物件はあっても、運営に適した“中間サイズ”の一戸建て賃貸が、なかなか見つからないんです。私も、まさにこれで足踏みしていました。
そして、6LDKが出てきた
そんなときに、目に飛び込んできた物件がありました。
6LDK、元は2世帯だったと思われる一戸建て。築12年で比較的新しく、価格は3000万円ほど。定点観測を続けていた私の目に、取得を検討すべき物件では?と映りました。
ここで私の頭の中は、一気にぐるぐるし始めました。建てるつもりだったけれど、これは……買い、なのか?と。
【これは方針転換ではなく、順番どおり】
「賃貸で始めて、いずれは自分の物件を」と考えていた私にとって、物件取得を検討するのは自然な流れでした。ただ、それが「建てる」ではなく「買う」の形で、しかも思っていたより早くやってきた——そこに、私自身が少し戸惑っている、というのが正直なところです。
ずっと賃貸、という選択もアリだと思う
念のため書いておきたいのですが、ずっと賃貸で運営していくという選択も、まったくアリだと思っています。物件を持たない身軽さには、身軽さの良さがありますから。
取得はあくまで一つの選択肢で、グループホームを運営する誰もが目指すゴール、というわけではありません。私はたまたま、今回そこに心が動いた、というだけの話です。だから「運営者ならいつかは物件を買うべき」みたいな話として受け取らないでいただけたら、と思います。
最後に:物件との付き合い方について
読者のみなさんに、今回お伝えしたいのはこれです。
1. これから立ち上げる方へ:まずは賃貸で始めておくのがおすすめです。物件取得の話は、利用者確保の見通しが立って、「こういうホームが欲しい」が見えてきてからで十分間に合います。
2. すでに運営している方へ:賃貸でも購入でも、周辺の物件市場を見続けることを習慣にしてみてください。買う予定がなくても、いざというときに動ける準備になります。
3. 賃貸か取得かで迷っている方へ:どちらが正解ということはありません。ただ、賃貸で積んだ経験は、買った後では簡単に取り返せない財産になります。焦らず、経験を積みながら考えていいと思います。
【この記事のまとめ】
- グループホームを続けるなら、賃貸でも購入でも物件チェックは習慣にしておく
- その定点観測が、良い物件が出たときの判断の速さにつながる
- 立ち上げ期は賃貸が基本。利用者確保の不確実性が大きいから
- 賃貸で積んだ「こうしたい・これはダメだった」の経験は、買った後では取り返せない
- 取得はあくまで一つの選択肢。ずっと賃貸という選択もアリ
さて、私自身の話に戻ると——この6LDKの物件を、本当に取得に向けて動かすのか。正直、まだ結論は出ていません。どうなることやら、です。
ただ、こうして物件取得を本気で検討し始めた以上、このブログにもこれから「物件取得」にまつわる話が、少しずつ混じり始めるかもしれません。その顛末は、また次回以降の記事で。続きは、私自身もまだ知りません。

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