受給者証の期限内でも、自己負担額は7月から変わることがあります。
私はこれを知らずに請求をかけて、2件の返戻対応をすることになりました。返戻とは、請求内容に誤りがあったときに、支払前に国保連から請求が差し戻されることです。差し戻された分は、内容を直して翌月に再請求します。再請求になると入金はさらに1ヶ月遅れるため、資金繰りへの影響は報酬入金と資金繰りの記事に書いたとおりです。
この記事は、グループホーム(共同生活援助)の管理者・運営者に向けて、利用者負担上限月額の7月切替の仕組みと、実際に確認してわかった受給者証の日付の実態をまとめたものです。
請求後に発覚した、7月からの負担上限月額の変更
先日、報酬請求を終えたあとで、ある利用者の自己負担額が7月から変更になっていたことがわかりました。
障害福祉サービスの利用料は原則1割が自己負担ですが、世帯の所得に応じて月ごとの上限額(利用者負担上限月額)が決まっています。グループホームの利用者は住民税非課税の方が多く、上限0円、つまり自己負担なしのケースが大半です。だからこそ、変わったときに見落としやすいのです。
あとから受給者証を見返すと、負担上限額の適用期間は6月30日まで。期限どおりに切れていたのに、私が見落としたまま請求をかけていた、というのが実態です。
受給者証のどこに負担上限月額が書かれているかは、受給者証の見方の記事で実物のページ順に解説しています。
期限管理が正直あやしくなっていた自覚はありました。反省して、受給者証や保険証などの期限を一括管理するアプリを作り、全利用者の期限を一斉に見直し。すると、受給者証の期限が半年前の日付で切れている利用者がもう1名見つかりました。
半年前から切れていたので、市町村に電話で確認。回答は「額は変わっていません」でした。ところが後日あらためて連絡があり、この方は7月から自己負担額が変わっていたことが判明します。
期限切れは半年前、更新されたとしても6月末期限じゃないはずだとその時は不思議に思いました。実は、期限内ではあっても変わる必要が生じたために期間の途中でも更新されていたのです。
負担上限月額は前年の住民税で毎年7月に見直される
利用者負担上限月額は、前年の市町村民税をもとに判定されます。
住民税が確定するのは毎年6月頃。税の年度は7月1日に切り替わります。つまり負担上限月額も、毎年7月利用分から新しい額が適用される可能性があるということです。
住民税の年度切替は税務の話なので、福祉の実務の中で正面から教わる機会はほとんどありません。私もこの繋がりを意識したのは、返戻を経験してからでした。
注意したいのは、受給者証に印字された適用期間に関係なく、7月から額が変わることがあるという点です。
受給者証の負担上限額の期限は6月30日とは限らない
一括管理アプリで全利用者の日付を並べてみると、意外なことがわかりました。
負担上限額の適用期間は、原則として直近の6月30日までとされているようです。ところが実際の受給者証を見ると、6月30日で刻まれている利用者もいれば、まったく別の月末日になっている利用者も複数いました。
なぜ日付が違うのかまでは、自治体に確認していないのでわかりません。事実として言えるのは、6月30日に切り替わる可能性がある項目なのに、期限が6月30日ではない受給者証が普通に存在する、ということだけです。
日付が印字されていれば、そこまでは変わらないと読むのが自然な感覚だと思います。ただ、期限が6月30日以外の利用者についても、印字に関係なく7月に額が変わるリスクがあると考えておいたほうが安全です。
給与や年金が変わらなくても負担上限月額が変わる理由
負担上限月額の判定に使われるのは、市町村民税の所得割額です。
仕事の給与や年金の額が変わっていなくても、住民税が動くことはあります。保険の解約返戻金を受け取ったとき、相続した不動産や株を売却したとき。税の計算上は所得が増えるため、翌年度の住民税が上がって区分が変わることがあるのです。
グループホームの入居者では、親御さんが亡くなったタイミングやご家族が保険の整理をしたタイミングで、本人も気づかないうちにお金が動いていることは現実にあります。保険や相続の動きは支援者からは見えにくいところ。事業所にとっては予期せぬ変更として、7月に突然あらわれることになります。
もうひとつ押さえておきたいのは、解約返戻金や売却益が一時的な所得だという点です。翌年度の住民税では元に戻るため、翌年の7月にまた区分が変わる可能性があります。1回変わって終わりではなく、翌年も要注意ということです。
自己負担額はあまり変わらないものという感覚でいると、変わったときの対応で慌てます。利用者本人への差額徴収の説明、請求のやり直し、他の事業所を利用している場合は上限額管理の調整。事後対応はどれも手間のかかるものばかりです。
まとめ:受給者証の期限に関係なく7月は全員確認
受給者証に印字された負担上限額の適用期間は、額が変わらないという保証ではありません。額が変わる事情が生じれば、期間の途中でも変わります。そして7月は、住民税の年度切替により、変わる事情が一斉に発生しやすいタイミングです。
毎年7月は、期限の残り日数に関係なく、全利用者の負担上限月額を一斉に確認するタイミングとして仕組み化することをおすすめします。なお、家賃補助(特定障害者特別給付費)も前年の住民税で判定されるため、負担上限月額と一緒に7月に動きます。確認するときはセットで見てください。
確認は口頭ではなく、新しい受給者証の写しの回収まで。私は電話での確認をはさみましたが、最終的に額が確定したのは書類を見てからでした。
対策は7月の一斉確認だけで済みます。私はまず、年間予定に入れるところから始めることにしました。


コメント