グループホームの中古物件はインスペクション(住宅診断)を契約前に|費用18万円の体験記

ホーム開設記録

この記事は、グループホーム(共同生活援助)の物件取得に向けて動いている方へ向けた体験記です。「インスペクション」という言葉を知らなかった私が、契約前に住宅診断を頼んでみた話を書きます。

先に結論を言うと、中古物件を買うなら、インスペクション(住宅診断)は契約前にやる価値がある。私は費用18万円で依頼して、頼んでよかったと思っています。もう一度物件を買うことがあれば、また頼みたいくらいです。

ただし、依頼してから実施まで1週間かかり、業者への打診は半分ほど断られました。契約前という限られた期間に間に合わせるには、物件が気に入った時点ですぐ動く必要があります。

中古物件の契約前にしかできない、インスペクション(住宅診断)

私がこの言葉を知ったのは、不動産会社の担当者の一言からでした。

「インスペクションをやるなら、契約前になります」

インスペクションとは、建築士の資格者(既存住宅状況調査技術者)が住宅の劣化や不具合を調べてくれる住宅診断のことです。国の資格制度に基づくもので、怪しい民間サービスではありません。

なぜ契約前なのか。診断で不具合が見つかったとき、売主と買主のどちらが直すのかという問題が発生することがあるためだそうです。

私の場合は、築10年ほどとはいえ30年以上使うつもりの建物で、値段は3000万円。今の賃貸物件で、室内でバケツをひっくり返したような雨漏りに悩まされた経験もあります。やらない理由がありませんでした。

中古物件のインスペクション業者の探し方と費用

業者は、既存住宅状況調査技術者の検索サイトから探せます。国土交通省の登録講習を修了した建築士を都道府県で絞り込んで検索できる仕組みで、私は一覧から10社ほど候補を見つけました。

急いでいた事情もあり、複数の業者に問い合わせを送って、一番最初に返事が来たところに依頼することにしました。結果として、打診した半分ほどには断られています。日程が合わなかったり、対応エリアの問題だったりです。

費用の相場感としては、私が依頼したところは、報告書まで全部込みで18万円でした。次に連絡がきた業者さんの金額が10万なのを見たときは正直「失敗したかな」と思いましたが、対応はすこぶる良く、結果的に納得しています。頼んだ業者さんは、屋根裏や床下に入れない事情があって調査できなかった場合は、該当分を差し引くという取り決めでした。

10万円前後の業者さんもあったのですが、屋根裏・床下の調査も含まれた価格であってもオプションが多く、実際に頼みたい内容にすると金額が膨らむ可能性がありました。地元の安い業者は、案件を多く受けられないようで、もう予約がいっぱいだといわれて石間しました。選ぶだけでも大変でしたが、余裕をもってあたればいろいろ選べたかもしれません。ちょっと時間がなくて、とにかく最低限これだけはというところだけ押さえて依頼しました。

【業者に問い合わせるときの確認リスト】

  • 調査範囲に屋根裏・床下・シロアリ確認は含まれるか
  • 屋根裏や床下に入れなかった場合、金額はどうなるか
  • 提示された金額は報告書の作成まで含んだ総額か
  • 実施日はいつ取れるか(契約予定日に間に合うか)

当日の調査は、プロと回る中古住宅のガイドツアー

当日は私も立ち会って、一緒に見せてもらいます。一つひとつ一緒に見ていく箇所もあれば、「ちょっと見てきますね」と診断士さんだけで見に行く箇所もありました。プロの中古住宅の見方は面白いです。機会があるなら、立ち会いをおすすめします。

印象に残った場面としては・・・

外回りでは「ここに蜂の巣があるでしょう」と指摘されました。言われてみれば確かにあります。蜂の巣のような侵入経路を放っておくと、生き物が中に入って建物にダメージを与えることがあるため、床下に潜って中を確認しないといけない、とのことでした。自分でも見たつもりでいましたが、着眼点を押さえていないと、見ているようで見ていない。

室内では、水平器で床の傾きを確認し、歩いて確かめ、全部の窓の開け閉めとシャッターの上げ下ろしを確認していきます。見ながら思ったのは、本来、住宅を見るというのはこうするものなのか、ということでした。内見のとき、私は見ているようで見ていなかった。真似したいけれど、たぶん普通の人はここまでやらないだろうなとも思います。それでも、中古物件を買うという目的があるのなら、本当は一人でもできるべきことなんですよね。参考になります。

指摘は具体的でした。外壁の一部が剥がれていること、網戸の建て付けが悪いこと、点検口がワックスで固まって開かないこと。浴室の照明は、上部に断熱材を載せてはいけないタイプで断熱材が避けておいてあり、「今後もかぶせないでください」と教えてもらいました。窓枠を見て「たぶん交換されていますよ」という指摘もあり、よく見ると板が安っぽく、交換していないところはカビがでていました。きれいにしていても、結露するらしいということが分かる。ちょっとしたガイドツアーです。

不思議だったのは、診断士さんが調査の内容を不動産会社にも伝えていたことです。後から調べたところ、調査結果は不動産会社にも共有され、重要事項説明の中で説明される決まりになっていました。依頼主だけのための調査ではなく、取引そのものに組み込まれる調査なのだと知りました。

屋根裏と床下こそ、インスペクションを頼む理由

天井裏と床下の調査は、インスペクションを頼む一番の理由だと思っています。自分では見られない場所だからです。床下ではシロアリの有無も確認してもらえました。

一つ注意点があります。

【夏場の屋根裏は非常に高温になるため、危険と判断したら入れないと言われました。私のときはたまたま気温が高くなく、屋根裏の調査までできましたが、インスペクションは季節を選ぶものなのだと知りました。契約時期が夏にかかる方は、頭に入れておいてください。】

インスペクションの報告書は67ページ、融資の相談先にも使える

当日は3時間かけて家中を見てもらい、最後に大きな問題がないことをその場で確認してもらえました。後日届いた報告書は67ページ。写真が豊富で、屋根裏から床下まで、どこの何に異常があったか、なかったかが部位ごとに書かれています。

報告書は、融資の相談先に提出する資料にも使えます。建物の状態を第三者が確認した書類として、そのまま出せる体裁です。

まとめ:物件が気に入った時点で、すぐ動く

インスペクションは契約前にしかできません。依頼から実施まで1週間、業者探しで断られる分も見込むと、物件が気に入った時点ですぐ動かないと間に合いません。

「気に入ったから契約へ」の流れに乗る前に、一呼吸置いてインスペクションを挟む。30年使う建物を買うなら、18万円は高くない買い物だったと私は思っています。

なお、私の物件購入自体はその後、インスペクションとは別の事情で見送りになりましたが、経緯は改めて別の記事で書きます。

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